ユヌス&椎木ソーシャル・ ビジネス研究センター(SBRC)とは

2006 年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士は、バングラデシュで貧困層への無担保小額融資を行うグラミン銀行創設者であり、ソーシャル・ビジネスを提唱・実践しています。九州大学は2007 年にグラミン・グループと交流協定を締結し、2011 年にユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC)を設立。日本で初めて設立されたユヌスセンターとして、国内外の様々な機関や企業などと連携して、ソーシャル・ビジネスを推進するための活動を展開しています。
 
 
設立目的
 
持続可能な充実した社会構築をめざす「ソーシャル・ビジネス」の教育、研究、調査、普及と新規ソーシャルビジネス事業者へのインキュベーションを目的とする。 また、国内外の関連機関と協定・共同研究等を通して、地球規模の課題 (貧困, 健康, 環境, エネルギー, 教育, 自然災害など)解決に向けたソーシャル・ビジネス・モデルを構築する。
 
 
 
ユヌス博士と椎木氏について
 
ムハマド・ユヌス 博士 Dr. Muhammad Yunus
 
ムハマド・ユヌス博士
ユヌス博士についての紹介はこちら
 
 
椎木 正和 氏 Mr. Masakazu Shiiki
 
椎木正和氏
1928 年 福岡県行橋市生まれ。
 
1959 年10 月、有限会社三洋商事を福岡県小倉市(現・北九州市小倉北区)で創業。1972 年6月に三洋信販株式会社に商号変更し、社長、会長を務められました。
社業以外にも、九州交響楽団の室内楽を中心として、本社ビルで月1回無料のクラッシック・ロビーコンサートの開催や、九州交響楽団の運営の支援、「別府アルゲリッチ音楽祭」では「しいきシート」を設けて親子を招待するなど、クラッシック音楽への支援を続けられました。

また、20 代の頃に当時の最新医療技術に命を救われた経験があることから、医療技術発展のために九州大学病院や福岡赤十字病院等へ寄付を行い、その他アジア人学生を対象にした「アジア留学生奨学基金」を設立するなど、地域社会支援・貢献活動に尽力されました。

ムハマド・ユヌス博士がノーベル平和賞を受賞する前から、ユヌス博士とその活動を尊敬していたという椎木氏は、九州大学がユヌス博士のグラミン・グループと協定を結び、ユヌス・ソーシャル・ビジネスの研究と普及活動を進めていることに大いに賛同され、ソーシャル・ビジネスの普及活動のために寄付をしてくださいました。そのおかげで設立されたのが、ユヌス& 椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC)であり、日本で初めてのソーシャル・ビジネス研究センターとなりました。
 
 
 
 シンボルマークについて
 
 
SBRC のシンボルマークは、あるアーティストとの出会いによって生まれました。
彼の名は、大峯直幸氏。福岡市にある障害福祉サービス事業所「工房まる」に所属されています。

アートを柱にした創作活動で有名な同工房に、九州大学の箱崎キャンパスにあったグラミン・クリエイティブ・ハウス(G.C.H) の壁画を制作してほしいと依頼したのは2011 年のこと。
工房のアーティストたちをG.C.H に招き、ここに集う人たちの思いや目指すところを伝え、感性を刺激する空間にしたいといったお話をさせていただきました。

後日、数十点の作品から大峯氏の絵が目に留まり、ディレクターが「陰陽五行をテーマにしてはどうか」と提案。木・火・土・金・水のイメージを原案に加えた新たな作品を制作していただき、G.C.H 内サロンの壁画に採用させていただきました。

シンボルマークを作るにあたっては、原画に描かれていない部分を描き足してほしいと大峯氏にご相談しました。
期間が1か月しかないことに加え、一度完成した作品に手を加えることには予想以上の難しさがあったようです。
途中、プレッシャーから制作が進まず、食事が喉を通らないほど悩んでいる様子も見られたとか。それでも決して描き急ぐことなく、大峯氏は自ら納得のいくイメージを探りながら丁寧に制作を続け、無事に完成したのがこちらのマークです。
 
 
大峯直幸氏 プロフィール
1977 年生まれ、福岡市在住。障害福祉サービス事業所「工房まる」に所属。
20 歳から独学で絵を描き始め、幻想的なスタイルで精力的に制作を行う。
黒マジックのくっきりしたラインは、不随意運動を力で抑え込むことで生まれる。
二の腕に内出血ができるほど全身に力を込めて、筆先の繊細な動きをコントロールする姿と、画用紙に刻々と浮かび上がるイメージには、思わず息をのみ引き込まれる。